モチベーション

2012年4月27日 (金)

モチベーション・マネジメント タイプ1から

こんばんは。 

役人コーチこと中小企業診断士の石田恵介です。

 

前回の記事で、「自分自身が仕事にやりがいを持って、イキイキと働く」あるいは「人が仕事にやりがいを持って、イキイキと働くサポートをする」ためには、「人の動機の源泉」つまり「内的動機」を理解することが必要だということを書きました。 

ただし、「内的動機」といっても、それは十人十色。 

「仕事に対し、お金以外で重要視することは何ですか?」という質問を投げかけたとしても、その答えは「自己成長」「人間関係」「人からの賞賛」「自己判断と権限行使」「安定感」・・・とさまざまですよね。 

一人ひとりの内的動機を丁寧に探っていくことは有意なことではありますが、何かしらのフレームワークがあるとより便利ですよね。 

そこで、内的動機を探るためのフレームワークとして「エニアグラム」を活用することにします。

エニアグラムとは、人の性格の9つのタイプに分類したもので、コーチングでいうところの「タイプ分け」のようなもの。あくまで「傾向」を知るためのツールであって、人の性格を決めつけるためのものではないことは言うまでもありません。

なお、9つの分類をウィキペディアから引用してみますと

 タイプ1 批評家:職人。完全主義者。鑑識力が高い。神経質。融通が利かない。

 タイプ2 援助者:人助け。細かい気遣い。八方美人。人を操作したがる。

 タイプ3 遂行者:成功。計画実行。行動的。人を駒のように扱う。

 タイプ4 芸術家:天才。孤高の志士。一番病。ナルシスト。

 タイプ5 観察者:博士。分析屋。内向的。皮肉屋。有益性を重んじる。

 タイプ6 忠実家:安全第一。石橋を叩いて壊す。新しい物事への拒絶。

 タイプ7 情熱家:楽天家。好奇心旺盛。自由人。飽きっぽい。

 タイプ8 挑戦者:唯我独尊。理想主義者。自信家。他人に操られるのを嫌う。

 タイプ9 調停者:平和主義者。器用な経営者。葛藤を嫌う。逃避。怠慢。  

ここで、ご家族や友人あるいは上司や部下など、誰でも良いのでどなたか一人を思い浮かべてみてください。上記の9タイプのうちのどこか1つに当てはまるのではないでしょうか。

そこで、上記のエニアグラムを活用しながら「やる気を高める」という観点で、どのようなアプローチが有効か?を探ってみることにします。

なお、あくまで私見ですので、その辺はご留意を。

 

まず、タイプ1。

ウィキペディアでは、「批評家:職人。完全主義者。鑑識力が高い。神経質。融通が利かない。」と書かれていますが、アニメ「巨人の星」の「星一徹」をイメージすると分かりやすいと思います。

 

 良く言えば、「真面目で責任感があり、何事にも一所懸命」

 悪く言えば、「融通が利かず、寛容さに欠け、何事にも批判的」

 

こんな人が自分の身の回りに、9人に1人はいるそうです。

では、このいわゆる「職人気質」のタイプ1のやる気を高めるにはどうしたら良いか?

まず、「起動」させるアプローチから見ていきます。

 

他人に何かしらの行動を起こさせる(起動させる)ためには、動機の源泉にアプローチすることが最も有効ですので、タイプ1の動機の源泉を見てみます。

書籍などでは全般的に「あるべき姿に向かってベストを尽くしたい」「あるべき姿から外れたくない」ということが書かれています。

私自身もタイプ1の要素が一番強く、「ベストを尽したい」という点はとっても頷けます。

ただし、ここでいう「ベスト」とは「周囲が期待するベスト」ではなく「自己納得」が強いのではないかと思います。

いくら周囲が「ベスト」と判断しても、自分が納得したものでないと「ベスト」とは認めない。

スポーツなどでは、試合に勝つことより、自分が納得できるプレイが出来たかどうかの方が大事だったりします。

妥協ができず、「まぁ、この辺で」という安易さが許せません。自分に厳しく人にも厳しいし、ストイックです。「やりたい」よりも「しなければならない」の方が頭を擡げてきてしまいます。

だから、責任感が強く、物事を完璧にやり遂げようとしますし、より良い成果が出るなら時間と労を惜しみません。また、失敗しないように、用意周到に準備をするのも特徴かもしれません。

 

逆に、些細なことにこだわり、「木を見て森を見ない」状態になりがちです。自分がこだわっているほど、人はこだわっていないということに気づきません。考えに考え抜き、推敲を重ねて書いた文章も、第三者から「え?どこが変わったの?」と言われることがしばしばです。

そのため、無駄に時間をかけてしまう傾向があります。また、ミスや問題といったネガティブな側面にも目がいきがちなため、批判めいた態度に出てしまうことがしばしば。「何でいつも怒ってるの?」と言われたりします。

 

そんなタイプ1の「起動」を促すための有効なアプローチで考えられるのは

 ・問題解決、業務改善、組織改革など、現状とあるべき姿とのギャップの解消を意図した仕事を任せること

 ・ゴールを提示したら、達成のプロセスは本人の創意工夫に任せること

 ・成果を出すまでの時間を十分に与えること

逆に、カチン!ときたり、やる気を削がれるアプローチは

 ・「適当にやっておいて」とか「そこそこでいいよ」という「いい加減」なアプローチ

 ・「あれ明日までにお願い」とか「これ最優先。今すぐやって」という考える暇を与えないアプローチ

 ・信頼していない人からのアプローチ

他にもあるとは思いますが、ひとまずこんな感じ。

 

「今ある望ましくない現状を、あなたの力で何とか改善してほしい!」と言われると「よっしゃ!やったるでー!」という気分になるのではないでしょうか。(少なくとも自分はやる気が出る)

逆に、「適当で良いよ」とか言われると、やる気が萎えてしまいます。

また、「転ばぬ先の杖」ではありませんが用意周到な準備を施すので、「時間が足りない」ことへの不満を人一倍持つ傾向があると思いますので、成果までの時間は十分に確保してあげると良いと思います。

さらに、比較的、人の好き嫌いがハッキリしているため、「お前に言われたくない」と思ってる人からのアプローチは、それだけでやる気が失せてしまいます。

特に、言動不一致で不誠実な人が大嫌い。上司に当たる人は信頼に耐えうる振る舞いが必要です。

 

書き足りないけど、長くなっなきたので今日はこの辺で。

次回は、「行動を持続させるためのアプローチ」や「組織と個人のベクトル合わせ」という観点から、続きをまとめてみたいと思います。

考えをまとめるのって以外と大変。

 

K&Rコーチング・コンサルティング 中小企業診断士 石田恵介

2012年4月15日 (日)

思わぬストレスを与えていないか

こんばんは。

役人コーチこと中小企業診断士の石田恵介です。

 

今朝読んだ新聞記事ですが

新入社員時代に最も重圧に感じた上司の言葉が

「言っている意味、分かる?」だそうです。

念押しの一言が新入社員さんには思わぬストレスとなっているとのこと。

 

確かに、「言っている意味、分かる?」の背後には「言っている意味、分かるよね」あるいは「分からないとは言わせないよ」という意図を感じさせます。

自分も新入社員だったら、例え分からなかったとしても、「分かりません」とは答えられないかもしれません。

で、分からないままに仕事を進めるから、上手くいかずストレスが溜まる。

そして、「仕事って楽しくない」につながっていってしまう。良くないことです。

このように相手に「No」と言わせないような質問や投げかけ、案外、使っているのではないかと反省をしているところです。

例えば、研修登壇の際の「ここまで、よろしいですね?」

これも「言っている意味、分かる?」と同じニュアンスが含まれています。

受講生の反応を確かめながら講義を進めているつもりではありますが、無意識で使っていることがありますね。

結果、知らず知らずのうちに、受講生にストレスを与えていたかもしれません。

いけませんね。。。

 

念を押しの言葉を使う前に、聞き手の様子から「分かっているのか否か」を察することを心がけねばなりません。

と同時に、念押しせずとも納得が得られるような説明の「分かりやすさ」にも磨きをかけねばなりません。

気をつけよう。

 

K&Rコーチング・コンサルティング 中小企業診断士 石田恵介

2012年4月12日 (木)

モチベーション・マネジメント

 こんばんは。

役人コーチこと中小企業診断士の石田恵介です。

 

以前にも書きましたが、「どうやって仕事のモチベーションを維持しているのか?」という質問を受けることがあります。

回答としては、「起動と行動の持続をセルフコントロールができているから」なのですが、これだけでは意味が分かりませんね(笑)。

具体的には、「これ、やろう!」というモチベーションと「やり続けよう!」というモチベーションの双方を自分でコントロール出来ているから、ということになります。

モチベーションに関する書籍などを読むと、「外的動機付け」よりも「内的動機付け」を重視 せよ、といった趣旨のことが書かれているのは目にしたことがあると思います。

例えば、「昇級・昇格」あるいは「減給・降格」といった「アメ」や「ムチ」で他者の行動をコントロールするよりも、個々人の中にある「こうしたい!」「こうなりたい!」といった「内なる動機」に沿った行動を後押しする方が、結果としてハイパフォーマンスが期待できる。というものです。

確かに、人から「やれ」と言われてやることよりも、自分が「やりたい!こと」「やる!と決めたこと」の方が、「やる気」は高まりますよね。

これが「起動」にあたる部分。

 

他方、行動科学(分析学)の分野で「好子出現の強化」という言葉があります。

これは、「自分が行動を起こした後、自分にとってプラスの感情を得ることができれば、その行動は繰り返される」といった意味合いで捉えています。

「褒められた」「認められた」「達成感を味わった」などなど、これらは「よっしゃ!またがんばるぜい!」といった気持ちにさせてくれますよね。

これが「行動の持続」の部分。

 

つまり、何かを始めよう!とする際の「起動のモチベーション」と、またやろう!とする際の「行動持続のモチベーション」を自分でコントロールすることができれば、やりがいを持ってイキイキと仕事に取り組むことが可能になるのではないか、と思うわけです。

逆に、視点を「自分」から「相手」に変えてみると、社員が、部下が、後輩が、同僚が「やりがいを持ってイキイキと仕事に取り組む」ことをサポートすることも可能になるのではないか?

そんな思いから、「人の動機の源泉」つまり「内的動機」を探り続けていきたいと思っています。

アセスメントを主な仕事としていることも、そういう理由が大きいです。

 

そこで、一度この辺のことを整理し、自分の知識として定着させたいという動機が働き、まずは、エニアグラムと行動科学(分析学)を絡めながら、自分なりの考察を「セルフモチベーション」と「他者のモチベーション」2つの視点からまとめてみようと思い立ちました。

この内容については、書き上げるのに時間がかかりそうなので、ぼちぼち不定期更新でいこうと思います。

 

K&Rコーチング・コンサルティング 中小企業診断士 石田恵介

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