「公務員、辞めたらこうなれる」 ~役人コーチの独立開業記録~
その6 長男誕生
前回は「結婚」のことについて書きましたが、今回は「長男誕生」、つまり父親になった時のことを振り返ってみたいと思います。
長男が生まれたのは、平成14年1月21日。約10年前、26歳の時です。
嫁にとっても初めてのお産ということもあり、立ち会い出産を希望しました。
第一子は予定日よりも遅れるという話はよく聞くところですが、案の定、長男の時も予定日を1週間過ぎても生まれる兆候がありませんでした。
そうこうしているうちに破水してしまい、急遽病院にいくことになったわけですが、それでもお産が始まらない。
仕方がないので、誘発剤を使ってお産を促そうということになったのですが、それでも全く出てこない。
結局、破水から4日後にようやく産まれてきたのですが、その間、嫁は陣痛の痛みに耐え、私はひたすら嫁の腰をさすり続ける、時より赤ちゃんの心音が弱まってきたりで、どうしようもない不安と眠気、「なんでうちだけ?」という苛立ちで、今思い出しても地獄のような4日間だったことを覚えています。
同部屋の方が次々と出産していく中で、取り残されていく気分。嫁も辛かったと思います。
とにかく「無事に産まれてきてくれ~」とひたすら祈っていました。
だから、産まれてきたときは
「無事に産まれてきてくれて(産んでくれて)、ありがとう!!!」
それ以外の言葉は見つかりませんでした。
こんな経緯もあるので、長男に対する思い入れが非常に強いんだと想います。
なお、病院は最新の医療設備が備わっており、自宅からも徒歩圏内にあった国立の某医療センターにしたのですが、そこにいた助産師さんたちのホスピタリティの無いこと無いこと。
「誘発剤を使っているのに、なぜ生まれてこないのだろうか?」「おなかの赤ちゃんは大丈夫なのだろうか?」「母胎に影響はないのだろうか?」いろいろな不安が渦巻く中、声をかけても、素っ気ない態度をとるは、うっとうしい!と分かるような態度をとるはで、「もう二度とこの病院では産まない!」と確信したことを覚えています。
ただ、それだけ助産師さんたちの労働環境が悪かったのかなぁという気がしなくもないのですが、患者の不安を取り除けないような助産師さんじゃ。。。とも思います。
なので、娘の出産は「安心して産める」と評判だった病院を選んだのですが、嫁曰く「一人目もここにすれば良かった」とのことでした。
ちなみに病院は、中目黒にある育良クリニック。料金は高いけど精神的な満足度はかなり高かったようです。
さて、息子が産まれ、自分が父親になり、とにかく心がけたのは「積極的に関わる」ということでした。
自分の記憶の中には父親と遊んだという記憶があまりありません。(実際はあったのかもしれないけど、ほとんど覚えてない。。。)
なので、自分としては「いつも一緒にいて、遊んでくれる、勉強を教えてくれる、話ができる」そんな父親になりたいと思っていました。
だから、夜泣き対応以外は全てのことをやったと思います。
(一度寝ると何をされても朝まで絶対起きないんです。。。夜泣きにも気づかないので)
ミルク、お風呂はもちろん、離乳食づくりから、散歩・・・、大きくなってからは、それに加えて土手でのサッカー&野球、ヒップホップやスイミングといった習い事への随行と時間の許す限り、嫁任せにせず、自分が関わっていったつもりです。(最近は、そうでもないか・・・)
その一方で、「かっこいい!父親」でいたいとも思っていました。
スポーツでかっこいい!仕事でかっこいい!家事でもかっこいい!少なくとも「友達に紹介するのヤダなぁ」とだけは思われないようにしなくては!と思っていました。
また、単に遊び相手になってあげるだけでなく、自分自身が背中を見せられる、誇れるような姿勢を見せなくては!という思いもありました。
振り返ってみると、なぜ独立をしたのか?の理由の1つがここにあったような気がします。
スポーツでかっこいい!家事でかっこいい!というのは、息子(娘も)が産まれてからも一貫して継続してきたつもりです。
ただし、今でこそ「仕事でかっこいい!(イキイキとしてる!の方が適切か)」と胸を張ることが出来ますし、息子からも「パパって大人の人に勉強教えたりしてるんでしょ?すごいね!」と言ってもられるようになりましたが、役所に勤めている頃は自信をもって「仕事でかっこいい!」と胸を張ることはおろか、子どもに自分の仕事の話(自分が公務員であるという話をすること)をすることが嫌で嫌でたまりませんでした。
もちろん、役所の仕事を否定するつもりは毛頭ありません。必要な仕事ですし、誇れる仕事です。
ただ、自分の中では「役所の仕事をしている自分=かっこいい!(イキイキと仕事してる!)」が成立しなかったのです。
この後、徐々にこの辺のフラストレーションが溜まっていく訳なのですが、この辺の具体的な話は、また別の機会に書いてみたいと思います。
こうやって書いてみると、子どもにとって「かっこいいパパでいたい!」という想いが強いみたいですね。
次回は、子どもが産まれたことで生じた不安について書いてみたいと思います。
K&Rコーチング・コンサルティング 中小企業診断士 石田恵介
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